まだ彼岸前だけど気分は寒い晩秋でお読み下さい(笑) ======================================== 落ち葉が舞う頃になるとようやく秋が来たことに気付かされることは多い。 もう既に森の中ではどんぐりが多く転がっているし、動物は冬の支度を始める。 しかしその頃になるともう秋は終わりかけている。 秋はいつも気付かない内に忍びより、気付いたときには後ろ姿で去って行く。 冬の近いそんな時には、誰だって寒いなあと思うものだ。 「もうすぐ冬か……嫌な季節だなあ」 ルーティの漏らしたため息を聞き咎め、風見は焼き芋をつついていた棒を火から抜いた。 「うん、ルーティは冬が嫌いなのか?」 「嫌いって言うか……」ルーティはふうと珍しく物憂げなため息を吐いた。 「身体が重くなっちゃうからね」 ここは茶道部の裏、SS不敗流の修行場である。 とはいっても、今日は師弟関係者揃って焼き芋を焼いているのだが。 水野あたりは涎を垂らしながら芋が焼けるのは今か今かとたき火を見つめている。 楓や光は部室までお茶を取りに行っていたりする。 風見や西山達はひたすら落ち葉を拾って大量の芋を焼いているのだった。 「身体が重くなるって……冬になったら頭がシャンとして爽快な気分にならないか?」 不思議そうに風見が言った台詞に、マールはくすくす笑いながら口を挟んだ。 「違いますよひなたさん。私達は冬が近くなるとヒーターオプションを付けるんです」 「ヒーター?CPUは寒ければ寒いほど効率が良くなるんじゃなかったっけか?」 「それはそうなんですけど、身体の方はヒーターがないと困るんです」 マールはそう言って風見の方を困ったように見た。 上手く説明が出来ないらしい。 「西山さん、見て下さい!!ほらほら、落ち葉ビニール袋に3つも運んできましたよ!!」 「おっ、美加香良くやった!上出来だ!!」 丁度落ち葉を運んだ美加香が帰ってきたので、マールはほっとして説明を委託した。 「あ、美加香さん!ひなたさんにヒーターオプションの事を説明して下さい!」 「あれ?ひなたさんは知らなかったんでしたっけ?」 どさっと落ち葉の入った袋を地面に置きながら、美加香は聞いた。 知らないから説明して欲しいのである。 風見がちょっと不機嫌そうに首を横に振ると、身の危険を察してか慌てて美加香は説明 を始めた。 「ひ、ひなたさんはマルティーナに内蔵されてる水ジェネレータは知ってますよね!?」 「ああ、激しい運動したときとかにヒートアップしないよう、いつも体内のあちこちを 血管みたいにして冷水が巡ってるんだっけか?」 さすがに長く一緒に生活しているとそれくらいのことは覚えてしまう。 美加香はこくこくと頷きながらたき火に落ち葉を追加で放り込んだ。 「でも冬になると話が違って来るんですよ。冬や今頃の朝は冷え込むでしょう?ここは別 にシベリアや北海道帝国じゃありませんから日中でも零下になることはありませんけど、 朝方には零下になるじゃないですか。そうするとマズいんです」 「マズいのか?」 「ジェネレーターが凍って身体が動かなくなっちゃうんですよ」 ああ、と風見は頷いた。 そういえば学校の蛇口なんかも朝来たばかりの時はよく凍り付いてしまっている。 「凍結で済めばいいけど、破裂なんかしたらシャレにならないな」 「そう、そうなんですよ!」美加香はうんうんと頷きながら落ち葉を更に放り込む。 ごうっとたき火から凄い音がした。 「そーゆーわけで夏暑く冬寒い国のジェネレーター仕様HMのために、ヒーターオプショ ンをわざわざ作って体内の凍結防止に努めているんです!ちなみに作ったのは長瀬主任!!」 美加香は自分の会社と師の業績を嬉しそうに披露して見せた。 (長瀬主任?……ああ、春口に空飛ぶ自動販売機なんか作って大変な事になった人か) 当然ながら風見はちょっと嫌な表情になった。 美加香には可哀想だが、風見にはあまり良い印象はない人物である。 突っついた棒がすっと突き刺さった。 「あ、焼けたみたいですね」 風見がぽつりと言った途端、水野が早速たき火の中に手を突っ込んだ。 「うやあああっ!?」 慌てて真っ赤になった手を引き抜いてごろごろと周囲を転がり出す。 火は熱いと知らない猿じゃあるまいし……と場の一同は思ったが、口には出さなかった。 「はっはっは、火中天津甘栗拳の修行みたいだな水野」 「師匠……なんかえらく抽象的な喩えですね……」 相変わらずSS不敗流の当主は特徴的な感受性の持ち主である。 「ふぇぇぇん、痛いですぅぅぅ!!」 「はいはい、水野君大人しくしててねー」 「うゆぅ……えぐえぐ」 美加香に包帯と軟膏で治療して貰いながら、焼き芋はしっかり握りしめている。 そこら辺は流石に水野響だった。 タイミング良く戻ってきた楓達の姿を見ながら、風見は次々に芋を取り出して行く。 その芋を西山がみんなに分配し、香ばしい匂いが辺りに広がっていった。 「ほい、楓」 「ありがとうございます」 ぺこ。 「ほれ、マール」 「ありがとうございます英志さん!」 にこっ。 「ほら、光君」 「拝謁します師匠!」 深々。 「それからルーティ、ティーナ、笛音ちゃんにてぃーくん……」 『ありがとうお兄ちゃん!』 にぱっ♪ 「で、EDGE………!?」 「ありがとうお兄さま☆」 芋を渡しかけた西山の手が止まる。 笑顔のまま手を差し出している妹を白い眼で見ながら、西山は訊いた。 「何故SS不敗流の団欒に異流派のお前が混じっている……?」 「いいじゃない、兄妹のよしみなんだし♪」 EDGEはほがらかな笑みを浮かべながら無言で芋を要求している。 「師匠、いいですよ。まだ芋はたくさんあるんだし」 「そ、そうか?じゃあ有り難く受け取れ」 風見が苦笑しながらとりなすと、西山はEDGEに芋を手渡した。 「どっかの馬鹿弟子と違って良い子ねぇ、風見君は。脱がしてあげようか?」 「謹んで遠慮させていただきます」 「ちぇ」 最後に芋がすっかりなくなったたき火に水をぶっかけて、西山はふうと息をついた。 「さあ、みんな食べるか!」 「え?」 楓はお茶を飲み干しながら驚いたように呟いた。 その手には芋が………ない。 「もう食べたのか楓……?」 「……」 楓は恥ずかしそうに頷いた。 西山はそんな彼女を見て嬉しそうに芋を半分に割るのだから、見ている方は当てられて やってられないや、とそっぽを向くしかない。 美味しそうに芋を口一杯に頬張っているちび達を見ながら、風見は芋を囓っていた。 冷たい秋風が頬を撫でていく。寒い。 「ホント寒いですねぇ、ひなたさん」 「全くだ。薄着にはキツいな」 美加香にそう答えながら、風見はふと思いついてルーティの背後に忍び寄った。 「……ひなたさん?」 「しっ」 怪訝そうな表情を浮かべる美加香を黙らせて、風見はルーティの背中に手を伸ばした。 だきっ。 「うひゃああああああっ!?」 驚くルーティに構わず、風見は小さな身体を抱きかかえた。 「あ、本当だ。あったかいな」 「び…びっくりした、ひなたさんかぁ……」 ルーティはどきどきした表情で胸を押さえていたが、そのうちほんのり顔を赤らめた。 そんな彼女を子供達はくすくす笑いながら見ている。いつもの仕返しという訳らしい。 「えっ、本当ですか?」 美加香は風見の呟きを聞いて、反対側に回り込んでぎゅっとルーティを抱きしめる。 図らずも二人に抱きしめられる結果になってルーティはもじもじと頬を赤くした。 少なくとも友達や姉妹に見られたい格好ではない。 「あっ……本当ですね、あったかーい!!」 美加香は嬉しそうに言って腕の中のルーティに頬摺りした。 その表情を見て、風見はどきっとして慌てて身を離した。 ルーティは美加香にしっかりと抱きかかえられているので落ちずに済んでいる。 「……顔が赤いわね、風見君」 ニヤリと笑ったEDGEの揶揄に風見はますます顔を紅くして不貞腐れたように呟いた。 「………ほっといて下さい」 そのEDGEの更に後ろでは結城やOLHが腹を抱えて必死に笑いを堪えている。 見られていたら間違いなく速攻で鉄球を顔面に喰らっている。 「うーん、ヒーターオプションがこんなにも気持ちいいなんて知らなかったなぁ〜♪」 「美加香さん、は、恥ずかしいよ……」 ルーティは美加香の腕の中で弱々しい抗議の声を挙げた。 マールはそんな妹を見て、ちょっと羨ましそうな顔になった。 「どっこい…しょっと」 「きゃっ!?」 思った矢先に高々とその身体が宙に浮く。 「どれ…成程、なかなか快適な温度だな」 そう言って西山はマールにウインクして見せた。 「英志さん……」 西山はちゃんとマールが母親を独占するルーティを羨んでいることを解ってくれていた のだ。そうでなければ硬派な彼がこんな行動を取ろうハズもない。 そう思い、マールはじんわりと眼の端に熱い物が浮かぶのを感じた。 こうなるとティーナと笛音が黙っていようはずはない。 「おにいちゃーーーん!!」 「あっ、ズルいよ笛音ちゃん!ボクが先なんだから!!」 「うわーーーーーっ、重いーーーーーーっ!?」 OLHは突然のしかかってきた娘二人に潰されてしまった。 そんな笛音を見ながらてぃーくんはつまらなそうに爪を噛んでいる。 何を思っているのかは傍目からもバレバレであることは言うまでもない。 「命短し恋せよ乙女……と。男の子も女の子に振り回されて大変よね」 EDGEはそう言ってくすくす笑った。 そして、てぃーくんの背中をそっと包み込む。 「う、うわっ!?EDGEさん!?」 「気にしない気にしない……ま、数年後にはいい男になりなさいよっ!!」 「は、はあ……」 見ようによっては微笑ましい光景かも知れない。 「秋らしい団欒ですねぇ……」 風見がそう呟いて茶を啜っていると、背中に思いっきり重圧がかかった。 「うわあっ!?」 「うゆーーーっ!!」 聞き慣れた高い声が耳元で響く。 「こら、重いぞ水野君!?」 「わたしもおんぶーーっ♪」 「君のは頭にのしかかるんでしょうにっ!!」 ……それなりにSS不敗流らしい家庭的な空間かも知れない。 だが、これを影から隠れて見る二つの視線があった。 「……こいつは使えるな」 数日後。 「………なんです………これ………?」 第二購買部に新しい暗器を買いに行った風見の眼の前には眩暈がするほど長ったらしい 行列が出来ていた。しかも二列。 『最後尾3時間待ち』 列の終点にはそんな看板まで立てられている。 顔を上げて列の先頭近くまで歩いていってみると、一方の列の先頭に立っていた生徒が 何やら人形らしき物を受け取って嬉しそうに抱きしめるのが見えた。 眼を細めてよーく観察して、風見は凍り付いた。 男が抱きしめているのはさおりんのビニール人形だった。 店員は次の女生徒から整理券を受け取ると、梓の人形を引っぱり出してきている。 よく見ればそれはかおりだった。熱烈にキスなどカマしている。 ぎりりっと音を立ててその横を見るとでかでかとした文字で『申込所』と書かれていた。 『完全オーダーメイドゆたんぽ購入申し込み受付所!!』 『冬の寒い晩に憧れのあの人とのほんのり暖かい一夜を!!』 『もう寂しい一人寝なんて言わせないっ!!』 凄まじいアオリ文が書かれたノボリまで上がっていたりする。 風見が呆れることも出来ず眼を丸くして狂乱を見つめていると、ぽんと肩を叩かれた。 振り向けば、beakerがニコニコと笑いながら立っていた。 「やあ、風見君。そろそろ来る頃だと思っていましたよ」 「beakerさん、何ですかあの行列は!?しかも何故キャラゆたんぽ!?」 風見が問うと、beakerは両手一杯に分厚い顧客リストを出してにこやかに笑って見せた。 「いや、この前の焼き芋大会を見物していましてね……こんな商品を考えてみたんですよ。 うーん、これが実によく売れる。あっと言う間に全校生徒の60%が注文してくれました」 「見てたんですか!?……何でも商売のタネにするんですね、あなたは」 「はっはっは、天才商人だからね」 beakerは得意そうに笑って見せた。誉め言葉として受け取ったらしい。 (……いい性格してるよな、この人も) 風見は呆れながらも、嬉しそうにお気に入りのキャラのゆたんぽを受け取る生徒達を見 ていた。一様に幸せそうな顔をしている。 それならそれで良いのかも知れない。 そう考えて風見は自分がここに来た用事を思いだした。 「beakerさん、それよりもそろそろ……」 「ああ、わかってるよ!!なにせ君がアイデア元だからね!!」 ……暗器を注文したいんですが、と言いかけた風見の言葉を掻き消してbeakerは頷いた。 傍らからどこかで見たような巨大な人形を取り出して拳を固く握りしめ、力一杯に彼は 叫んだ。 他の生徒達が持っているものよりも更に上手くデフォルメして作ってある。 「ほら、受け取ってくれ………!!君の大好きな貧乳を極限まで再現した特注品!!」 職人芸に輝く瞳が風見を貫いた。 「特製美加香人形だぁぁぁぁっっっ!!」 「冷血グレネードォォォォォォ!!!」 風見は全身全霊を込めた究極の爆撃をかましながら叫んだ。 beakerはごろごろと転がって火を消し止めると、立ち上がり驚いた眼で風見を凝視した。 「何!?どこが気に入らないんだ!?ちゃんとAカップ以下の貧乳をトレースして肌触り はこんなにも滑らか!!挙げ句の果てにはお腹を押すと喋ります!!」 文法を著しく間違いながらbeakerは美加香ゆたんぽの腹を押した。 『みきゃ〜』 情けなさが結構本物に似ている。 だがそういう問題ではない。 「どうだ!?どうだ!?サチコでどうだっ!?」 「何がサチコなんか知らないが誰がこんなモン作れって言いましたかねぇ!?」 「コレを注文しに来たんだろうっ!?隠さずともいい!!青少年の注文ならオマカセだ!!」 「また吹っ飛ばされたいのかアンタはっ!!」 叫んでからイライラとbeakerの手の中の美加香ゆたんぽを睨み付ける。 「僕は硬派だっ!!こんなの受け取れるかぁぁぁ!!!」 風見は息を吸い込むと思いっきり美加香湯たんぽを殴りつけた。 『ふみぃぃぃ……ひなたさん酷いですぅぅぅ』 とっても精巧だった。 beakerは興奮した表情でじりじりと風見に迫る。 「どうです!?凄いでしょう!?技術の進歩は恐ろしいでしょうっ!?」 「進歩すればいいってモンじゃないんですよこの場合っ!!誰だ、こんなの作ったの!?」 「工作部完全オーダーメイドですっ!!」 ……………………………………………………。 「やっぱりあいつらかぁぁぁぁぁ!?」 その頃本物の美加香は。 「誠治さん、何ですかこの機械は?」 美加香の問いに誠治はびしっとキメポーズを取って答えた。 「よくぞ聞いてくれた!!これが噂の『オリジナル湯たんぽ製造マシン』!!ほんのつい 一昨日ばかりに第二購買部に頼まれ速攻で作り出した傑作だ!!」 「……オリジナル湯たんぽ?」 「そう!!例えば日頃鼻もひっかけて貰えないあのコ!!そんな彼女と布団の中で温めあ ってる気分になれるという素晴らしい発明品なのだ!!」 誠治はそこまで一息に言うと、素早く部屋の隅で作業している電芹を獣の瞳で見た。 「例えばこんな風になぁぁぁぁ!!!」 「特訓の成果『穿った見方』ぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 飛びかかってきた誠治に冷たい視線を向け、電芹は素早く電柱をぶん廻した。 哀れ誠治はあっさりと吹っ飛ばされ、壁に叩きつけられる。 「ふう……さて、たけるさんの夢でも見ましょうっと!」 アンドロイドは川越たけるの夢を見るか。 電芹はずりずりと壁をずり落ちていく誠治を見もせずに、たけるゆたんぽを抱きしめて 部室の外に出ていってしまった。 誠治はくっくっくと笑いながら、床を這いずって段ボールの中から電芹のゆたんぽを取 り出す。 「最近あんなに凶暴になった電芹でさえ、湯たんぽになればこんなに大人しいのだ!!」 『コーヒーのお代わりはいかがですか?』 電芹ゆたんぽはご丁寧に電柱を握りしめながら平坦な声で言った。 「うーん……ちょっとその使い方は疑問があるような気がしますが……」 美加香は機械を見上げながら呟いた。 「でも、結構いいアイデアですよね!」 「とゆーわけでさあ、受け取るのです風見君!!」 「だから僕はそんなもの抱いて寝ないと言うのに!!」 風見は壁際に追いつめられながら必死に叫んだ。 既にbeakerは眼が血走り、危険な笑みすら浮かべかなり怖くなっていたりする。 「いいから受け取るんだ!!キャンセルされたままじゃ商人の魂が泣くっ!!」 「そりゃそんなん受け取りそうなのは僕の他にはいないと思いますけど……」 風見はひきつった顔で呟いた。 「……でも、それって肖像権の問題はパスしてるんですか?」 ぴたっとbeakerの動きが止まる。 初めは硬直しただけだったのが、次第に汗が浮かび始める。 やがてだらだらと眼に見えて大量の脂汗が流れ出した。 「まさか……」 「………………」 「考えてなかったんですか?」 コクリ。 beakerはうって変わって泣きそうな顔で頷いた。 と、背後で大きな声があがる。 「ちょっとハイド!あんたその湯たんぽをどうする気なの!?」 「知れたことをっ!!これから一年中春夏秋冬冬はあったか湯たんぽに夏はひんやり簡易 クーラーに毎晩毎晩連日連夜時には愛の囁きなど交えつつ抱き枕にするのだっ!!」 「止めてよっ!!鳥肌が立ってきたじゃないっ!!」 ハイドは邪悪な笑みを浮かべ、更に続けた。 「甘いな!!オマケに接吻したりぎゅっとしたり、更には本人の目の前じゃとても言えな い事までしてくれるわっ!!」 「い゛や゜あ゜あ゜あ゜ぁぁぁぁぁぁ!?」 「ははは!!それが嫌なら小遣いをあと5000円ばかし上げて貰おうかぁぁ!!」 「足元を見て……なんて邪悪な奴なの!?」 ちなみに湯たんぽ一つ5800円。800円損してます。 いや、そーゆー問題ではなくて。 「思いっきり二次災害が発生してるじゃないですか……?」 風見は半眼でbeakerを見た。 「人災は災害には入らないんですよ!」 本人はそう胸を張って断言しているが、視線が固定されていない。 そうこうしている内にあちこちで悲鳴と怒号が溢れ始めた。 「てめえ秋山!!マジックナイト・ジンの湯たんぽをどうする気だぁぁぁぁぁ!?」 「かおり……あんた、あたしの湯たんぽを何に使うのよ……」 「うふふ、ダーリンにジンちゃんにひなちゃん……ハーレム結成ね☆」 「導師…あああ、導師ぃぃぃぃぃ!!愛してますぅぅぅ!!」 「みんな俺を馬鹿にしやがって……魔族を怒らせると後が怖い、呪ってやるぅぅ!!」 「ティー!その葵ちゃんを俺に寄越せぇぇぇぇ!!!」 「よっしーさんは既に理緒ちゃんだって持ってるでしょうに!!」 「うゆー☆」 「……beakerさん、何処へ行くおつもりです?」 「ええい離してくださいっ!!ハンターの仕事を思い出したんですぅぅぅ!!」 「ははは、僕の湯たんぽを抱き枕にしようなんて十年早いねミサイル娘が☆」 「(だくだくだく)」 「あ、でもこの浩之ゆたんぽは貰って行くから……ああっ!?あかりちゃんっ!?」 「えいっ!!」 「うぎゃああああああああああ!?」 かくしてゆたんぽ乱造事件は幕を閉じた。 湯たんぽは全て本人の手によって叩き割られ、製造機械ごと炎上してしまったという。 後に関係者は語る……。 「行きすぎた科学が魔法と変わりないように、行きすぎた湯たんぽも又ダッチ○イフと 変わりがないのですねぇ」(:beaker) 「主犯はあんたでしょうにぃぃぃっ!!」(:風見) ちゃんちゃん♪ ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― おまけ「今日のハイドさん」 ハイド「おりゃああああああああ、写真だぁぁぁぁぁっ!!」 風見「うがぁぁぁぁぁぁぁぁっ、マールっっっ!!」 (ぱあっ!) 日陰「………………」 ハイド「よし、日陰!!今年の冬の活動予定を立てるぞ!!」 日陰「(ぼーー)」 ハイド「おい、日陰?」 日陰「ふにゃあ、寒いからまた今度ぉぉぉ〜〜」 ハイド「でぇぇ二度寝するなぁぁぁぁぁ!!」 弥生「……寒くなりましたからね」 ハイド「こら、起きろ!!後でアイスでもあんみつでも食わせてやるから!!」 日陰「今は寝たい〜〜」 むらさき「違うよ、そんなのじゃ日陰お姉ちゃんは起きないよ!!」 ハイド「じゃあどうしろって言うんだ?」 むらさき「日陰お姉ちゃん、首領が焼き芋おごってくれるって!!」 日陰「(がばっ)さあ、今日も一日頑張ろうっ!!」 ハイド「ああっ!?時季ネタ!?」 弥生「……寒くなりましたからね」 日陰「で、マスター焼き芋……」 神海(冬眠間近のクマみたい……) 寒くなると悪事も一苦労です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ひ:とゆーわけで前半のーてんき、後半鬼畜ギャグという感じで行ってみました。 み:シリアス続きで息抜きって感じですね(笑) ひ:そーいや対談形式のあとがきは久しぶりだなぁ。 み:日記でいつもやってますけどね(笑) ひ:やっぱり日記書いてるとSS書く余力が残らないんだなぁ……(汗) み:今回時季はずれだと思われた方は、秋になったらまた読み直して上げて下さいね(笑) ひ:それではこの辺でっ!! み:「ああ、本当にコレ久しぶり」赤十字美加香と!! ひ:「よく考えたらここでのSS自体久しぶり(苦笑)」風見ひなたがお送りしました!!