なんだか凄く作者が目立ってます。
ごめんなさい。しかも長い。またでなかった人いるかも…
くだらない日常。
退屈な毎日。
鉛筆のコツコツという音が教室に響く。
美加香がいつもどおりの妄想に身を委ねていると、突然彼女の斜め前の席の
風見 ひなたが立ち上がり、こう言った。
「ビール樽」
クラスは大爆笑というよりは、シーンとした静寂に包まれた。
ゆ*や美加香はぽかんとしてひなたを眺めている。
「おい、なんだ風見?」と長瀬教師はひなたに聞いた。
ひなたはにや〜と笑うと、長瀬教師を見た。
「ビール樽…学校の金で飲んでんじゃねーよビール樽!たぷんたぷんいうなビー
ル樽!よろよろ歩くなビール樽!ガキでも生まれんのかビール樽!おとなしく坂
道でも転がってやがれビール樽!学校にくんなビール樽!酒くせーんだよビール
樽!飲むだけ飲んで生徒にえらそーに説教すんなビール樽!」
そこまで言って、ひなたはぴたっと口を閉ざした。
長瀬教師は蒼白になって震えている。
ひなたはにっこりと極上の笑みを浮かべて言った。
「一体何ガロン入ってるんだ、ビール樽?」
みしっ、という音が長瀬教師の方から聞こえ…
「ち、ちぃぃぃぃぃぃぃぃくしょぉぉぉぉぉぉぉ!」
とことん自我を傷つけられた長瀬教師は教室から逃げ出した。
「悪口はエレガントに」
一人悦に入ると、 唖然とする同級生の中で、ひなたはつかつかと教壇に立ち、
息を吸った。
「諸君!」
ぎゅっと拳を握り…
「教師が授業を放棄したので、今日は自習!」
一瞬の沈黙の後、教室は歓声に包まれた。
そのなかで、マルチにいいところを見せようとゆきががたん、と立ち上がる。
「か、風見君!?そんな勝手なことを…」
ひなたはゆきの肩に手を置くと、にやりと邪*に微笑んだ。
「いい天気ですね、ゆき君?こんな日は…」
次第にゆきの顔も邪悪に歪んで行く。
「…掃除しがいがあると思いませんか?」
次の瞬間、ゆきはマルチを引っつかんで教室から姿を消した。
そしてひなたは同様の手段でトレーニングなどの実行を促して共犯関係を作り
出した上で、全生徒を教室から追い出した。
「23分間の奇跡」並みの手際のよさであった。
風見 ひなた。某ネットゲームでアジテートを行い国民100人を独立させた経
験をもつ男。外道な才能ならお任せであった。
…ちょっと追求されるとあれなので言っておくが、現在は改心している。
いや、マジで。信じてくれよぉぉぉぉ!
実際はあのアジテートは事故だったんだってばぁぁぁぁぁぁ!
ホントだって、嘘じゃないんだよぉぉぉぉぉ!
…はっ!
コホン、失礼。
ともかくひなたは残された美加香を抱えると、
「革命のときは来た!」
と叫び教室を後にした。
そして誰もいなくなった。
校舎裏。
世間一般では不良がたむろってたり健気な女の子がいじめに遭ってたり祐介が
瑞穂に相談を受けてたり初音が佐○保と密談をしてたりするが、この場の状況は
どれにも当てはまらなかった。
ひなた(と美加香)の前には二人の女生徒が腕組みして立っていた。
「何考えてんのよ…!」
「授業中に呼び出すなんて、どういうつもりですか…?」
ひなたはふ、と少しだけ笑うと、冷たい目で二人を見た。
「呼び出し状に書いてあったでしょう、左さんと右さん」
『その名前で呼ぶなあアアアアアア!』
二人は同時にツッコんだ。
言うまでもなく由紀と美和子であった。
ひなたはその剣幕にちょっとびびってしまっていたが、皮肉げに笑って落ち着
きを取り戻した。
「まあ、それは置いといて…」
置いといていいのか、おい。
「話を聞いてあげようじゃない…」
そっちも納得すんなよ。
ひなたはきらりんと瞳を輝かせた。
『何か重要なことを喋るよ』サインである。
つられて二人も真面目な表情になった。
美加香だけがぼけーっとしているがご愛敬だ。
「僕は『百合の革命』を決行する!」
「な、なんですって!?」
一瞬三人の顔が劇画のようにリアルになる。
「ふふふ…あなた達の手でさおりんが辱められた…という事実は既に調査済み!
愛しのさおりんを百合に引き込んだ罪を償わせてやる!」
「その為にあたし達を呼び付けたの!?」と驚愕する由紀。
(な、なんて…なんて…)美和子は心の中で繰り返し、叫んだ。
「なんて暇な奴…!」
美和子の突っ込みにぴたっとひなたの動きが止まる。
由紀はうんうん、と頷いた。
「そんな事の為に呼び出すなよ…」と半眼で呟く。
ひなたはぶつぶつと何事か呟いていたが、やっぱりこれでいいんだ、と自分で
自分を励ますように言うと、びしっと二人に指を突きつけた。
「と、ともかく!あなた達二人を手始めに、学園中の百合をすべて排除してや
ります!覚悟っ!」
そう叫ぶと、ひなたは美加香に目配せした。
美加香は仕方なさそうに頷くと、手を高く掲げた。
「必殺!」
叫ぶと同時にひなたが美加香の上に飛び乗ると、美加香がそれを大きく空中に
放り投げる。
下から見て太陽と同じ位置まで*て、ひなたが叫んだ。
「外道メテオ!」
しかし、その時!
「待てっ!」というりりしい声が飛んだ。
「ひ、久々野さん!?」と美保子が叫ぶ。
カメラが渡り廊下の屋根の上に移る。
そこには冷徹かつクールな雰囲気を纏った少年がいた。でも右手にはしっかり
と「インターネット入門」が握られていた。
そう、彼こそは学園を裏で支配する男、久々野 彰であった。
「風見君!君の野望はここまでだ!私がいる限りはけっして…」
ずがべきぼぐどしゃあ!
「あれ?」
由紀達は額からだくだくと流血しつつ気絶していた。
その横にはハンマーと鉄球が転がっている。
立ちすくむ久々野の引き攣った顔も知らぬげに、一仕事終えたひなたはタオル
で顔を拭いていた。
「ふー、いい汗かいた…」
そして、くるりと久々野の方を振り向く。
「あれ、久々野さん。いたんですか?」
ぴたっと固まる久々野。
それを見て、美加香はなんだかすっごく嫌な予感がした。
久々野は俯いていたが、やがてわなわなと肩を震わせ始める。
「く…くくくく…」
なんだか怒っているようにも思えたが、実は笑っていた。
「くくく、くわはははははは!
やってくれるじゃないか、風見君!人が口上述べてるすきに攻撃とは、相変わら
ず卑怯な手段だ!」
「はあ、ありがとうございます」
ぺこりとお辞儀するひなたを見て、久々野は地団太を踏む。
「ほめてない!遠回しな皮肉だ!」
百も承知である。
「そんな事よりこっちで話しませんか?」
「望むところだ!」
久々野は華麗にジャンプすると、地面に降り立った。
ひなたはよっぽど着地地点にバナナの皮でも置いてやろうかと思ったが、一応
上下関係を気にして止めておいた。
「風見君、本当に百合を滅ぼすというのか?」久々野はマジな顔で聞いた。
「二言はありません」とひなたは俯いて答える。
その様子に改悛の余地ありと見て、久々野は薄く笑った。
「その言葉の意味…解っているのか?」
「当然です」とやはりひなたは下を向いて答える。
(そうは言いつつも私の顔を正視できてないじゃないか…)
久々野は余裕を浮かべた。
さすがに学校を裏で操っているだけあってこういうときの落ち着きはかなりの
迫力を持つ。
「君の理論で行くと加奈子も瑞穂も沙織もかおりも、そしてもちろん梓も倒すこ
とになる…それでもいいと言うのか?」
「承知の上です…さおりんも一度倒し、それから再出発する…」
久々野は声を荒げた。
「本当にそのつもりだな!?由紀も美和子も梓も滅ぼすんだな!?」
「だからそう言ってるでしょ!?」
「どうあっても美和子も梓も滅ぼすのか!?」
「そうです!」
次第に久々野は我を忘れつつあった。
「そうはさせない!梓を滅ぼすなど、私が許さん!」
ついに本音が出た。
「解りました!決着を着けましょう!」
「望むところだ!」
いつのまにか久々野は話を捻じ曲げられてしまっていた。
「ところで久々野さん!」
「何だ!?」
「…美和子踏んでます」
久々野はゆっくりと下を見た。
足元では頭を割られた上に久々野にあばらを折られた美和子が苦しげにうめい
ていた。
十分後、慌てて通報した久々野のおかげで二人は保健室に運ばれて行った。
久々野とひなた、そして美加香は担架をじーっと眺めていた。
「それにしても久々野さん?」
「何だ?」
「二年と一年の授業は僕が細工しましたけど…三年の授業はどうしたんです
か?」
「ああ、それなら―」
三年の教室では、阿部先生が教壇で死んでいた。
死んでいた、というかちょっとやばい世界へ飛び立ちかけていた。
「マッチョ、オクレ、マッチョ、オクレ…」
訳の解らないうわごとも呟いていた。
でもその顔は凄く幸せそーだった。
そんな先生を健やかが気味悪そうに眺めていた。
「セリス、いいのかな…なんか、複雑骨折起こしてるみたいだけど…やっぱりモ
ップで殴るのはだめだよね…ゆき君にマルチを取られたくないからって…」
無論のこと、その呟きを聞いている者は誰もいない。
UMAが「でーきた!」と叫んだ。
ぼーっとその作業を眺めていたアルルがびくっと立ちすくむ。
「わああ、びっくりした!何が出来たの?」
やることが見つからない、かといって一人ぼーっとするのも寂しい、という理
由で教室に残っていたのである。
UMAは得意そうに胸を張った。
「特製、望遠カメラ!」
「…何に使う気?」
「これで久々野対風見のビデオを撮る!」
アルルは首を傾げた。
「そんなビデオ、誰が買うの?」
「久々野が勝てば風見の弱みになるし、よしんば風見が勝ってくれれば久々野が
学園のトップから引き摺り下ろされる記念ビデオになる!」
アルルはぽかんと口を開いた。
いつのまにこんな奴になったんだろう?
そんなアルルの肩をどこから*れたものやらdyeが叩く。
振り返ると、芹香様が照魔鏡を持って立っていた。
その鏡の中には、落ち窪んだ眼をしたUMAと、その背後で笑っている髪の毛
がぴんと立った貧乏少女の生霊が笑っていた。
一瞬の沈黙。
「うわああああああ!?UMAが憑依されてるうううううう!?」
アルルは叫びながら、UMAを取り押さえようとした。
「な、何をする!?商売の邪魔をするな!」
「UMAさん、あんたは取り付かれてる!落ち着けええ!」
dyeも一緒になってUMAを押さえつけようとするが、今のUMAは貧乏パ
ワーの加護を受けて元気満タンレッツでゴー状態だった。
返り討ちにされ、二人は床に転がる。
意気揚々と教室を出ようとしたUMAだったが、そこに健やかがぽつりと呟い
た。
「あ、中継始めた」
振り返ると、教室備え付けのテレビから決闘の様子が報じられていた。
『さあー、ついに久々野に挑む男が現れました!』
『どちらが勝つか楽しみですね』
『実況は、おなじみ私志保と!』
『………琴音』
『二人あわせて!』
『……………あの、かとちゃんけんちゃんです』
『長い上にちゃうやん!べしっ!』
そんな寒い神戸弁と共に…UMAは倒れた。
別に神戸魂が腐ったギャグセンスに耐え切れなかったのではなく、自分の行動
が無為に終わってしまった事に敗北してしまったのである。
健やかはため息を吐くと、教室のテレビに眼を向けた。
長瀬教師は泣きなが職員室に飛び込んだ。
だが、そこでは千鶴先生がうれしそーにちょっと早いお弁当を取り出していた。
その机の上には、恐怖に身を縮こまらせている耕一。
ロープでぐるぐる巻きにされた上猿轡され、名札をつけられている。
『献上物』
耕一は長瀬教師を発見すると、眼で救助を訴えた。
それを鋭く察知し、千鶴先生はガンをたれた。そりゃもう見事な視線であった。
ヤンキー初音ちゃんなんて目ではない。
長瀬教師は黙とうすると、職員室を出てドアを後ろ手に閉めた。
「…旅に出るか…」
その言葉には行き場のない中年の悲哀が溢れていた。
その頃二年の教室では。
西山と楓が仲良く並んでテレビに見入っていた。
「ひなた…ss不敗流の恐ろしさをとくと思い知らせてやるがいい…」
呟く西山を見て、楓はくいくいとその制服を引っ張った。
「風見君の技は英志ちゃんが教えたの?」
「…不肖の弟子だが、その力は一流だ」
「じゃあ風見君も巨大化したりするの?」
西山は言葉に詰まったが、すぐにくすっと笑った。
「いや…。だが奴の恐ろしさはそんなところにはない」
「…凄いの?」
「当然。俺の弟子だからな」
裏校舎では、ひなたと久々野、そして美加香が落ち着きなくきょときょととし
ていた。
担架が運ばれていくうちに、授業がなくなって暇になった全学年の生徒が決闘
を見に来たのである。
もちろん、単なるギャラリーのほか声援を浴びせ掛ける者もいた。
「久々野!」
「…拓也か」
月島はにっこりと笑って言った。
「負けろ!学園の支配者は僕一人で十分だ!」
「…この決闘が終わったら確実に殺すからな、おまえ」
久々野の殺気を受け、月島はすすっと退散して行った。
続いて浴びせ掛けられる声援は…。
「彰!」
「梓!」
梓は久々野の手を取ると、真剣な眼で言った。
「絶対勝ってね、あたし応援してるから!」
「ああ、まかせとけ」
でもその顔は少しふやけていた。
と、その足がぎゅっと踏みつけられ、久々野は声にならない悲鳴を上げた。
「先輩、邪魔にならないように離れてましょ」
きっつい眼で久々野を睨みつつ、かおりは梓の手を引っ張って行った。
久々野はしばらくわなわなと震えていたが、ひなたに視線を戻す。
「…今、なんだか君の気持ちが分かったよーな気がする」
「あー、そうですか」
ひなたは憮然として言った。
すっごく不満そうだ。
「まったく、どーして久々野さんには声援を浴びせる人がいて、僕にはなにもな
しなんでしょう?」
「仕方ありませんよ、ひなたさんは悪なんですから」と美加香がとりなす。
「悪、ですか?」
「だって、革命とはいえ女の子を殴って回るんですから…」
ひなたはふーむ、とうなった。
「難しいですね、革命とは」
「まったくですね」
そんな会話を交わすと、二人は久々野のほうを向いた。
「もういいでしょう!久々野さん、決着を着けようじゃありませんか!」
久々野は手を打ちあわせると、闘志の漲る顔でポーズを取った。
「OK!行くぞ、風見君!」
屋上では。
「ジン、解っているな?」
「当然です」
柳川とジンは低く笑いながら眼下の光景を見詰めていた。
「久々野と風見。どちらが勝っても…」
「勝ったほうを狩って、我々が学園を手中に収める…」
『ふはははははははははは!』
彼らは満足そうに笑っていた。
精神が狩りを目前に思いっきり昂ぶっていた。
だから、後ろのほうからへーのきとセリオが走ってきたのには気付かなかった。
「へーのきさん、急がなければ戦いが始まってしまいます」
「う、うわわ!ちょっと待ってええ!」
どんっ!
『ほへ?』
へーのきは急ぐあまり前方不注意になり、ジンと柳川を屋上から突き落として
しまった。
○屋上(おくじょう)…1.昼に弁当を食べる場所
2.金網を突き破っておっこちる場所。
風見 ひなた編、「LEAF学園用語辞典」より一部抜粋
「セリオ、今、僕何かつきとばさなかったっけ?」
「いいえ、そんな事はありません」
「そうか、それならいいんだ」
へーのきたちは破れた金網から地上の戦いを眺めていた。
セリオは学園のセキュリティ端末である。
セキュリティというからには学園の治安を守らねばならない。
その彼女がおもいっきり公共良俗を乱している二人を見殺しにしたとして、誰
が彼女を責められようか。
…責められると思うな、存分に。
その証拠に、セリオの頬には汗らしきものが光っていた。
「久々野!俺も加勢してやる!」
岩下はみずぴーファンである。彼女の危機に立ち向かわないわけがなかった。
颯爽と久々野に近寄り…
その目の前にジンと柳川が落下してきた。
「赤い、血…?」
…。
「はうっ!」
岩下は貧血を起こし、担架で運ばれて行った。
もちろん久々野とひなたにはアウトオブ眼中だった。
「いつか、こんな日が来ると思っていました…!」
「私を超えられると思っているのか…!」
睨み合う二人。
先に動くのはどちらか…!
「必殺!」
動いた!
それは、ひなた!
ひなたは美加香のトスではるか上空へと舞い上がっていった!
「出るぞ、奴の必殺技が!」西山は興奮して叫んだ。
楓もテレビに食い入るようにして見つめている。
ひなたは最高点近くまであがると、制服の前をはだけた。
そして数々の暗器を取り出す。
「外道メテオォォォォ!!」
叫びと共にひなたは暗器を大地へと叩き付けた。
ずががががががががががががががががががが!
「うきゃあああああああああ!?」
「メスがっ!?メスが俺の頭にぃぃぃぃ!?」
「ひぃぃぃぃぃぃぃ!腕が、腕がぁぁぁ!ハンマーで腕が折れたぁぁぁぁ!?」
「鋸があたしの首筋を掻き切ってるぅぅぅ!?」
「釘バットが頭にめり込んでるうぁぁぁぁぁぁぁ!?」
鋏やらメスやらハンマーやら鋸やら錐やら玄翁やらつるはしやらダイナマイト
やらの雨は見物人に甚大な被害を与えた…。
「す、凄い!無差別にあれだけの量の暗器をばらまくなんて…!外道メテオ、な
んて恐ろしくかつ外道な技なの!?」楓は息を呑んで、叫んだ。
テレビでは災害の様子が映されている。
『こ、こちら報送席!どうやら私たちはもうだめのようです!さようなら、さよ
うなら…』
『あ、志保さん、頭に鉄パイプが落ちてきますよ』
『そ、それってもしかして予知って奴かしら!?』
『はい』
『うきゃああああああ!もうだめだあああああああ!』
ぶちっ!
真っ暗になったテレビの前で、楓と西山は硬直していた。
「あ、あれが英志さんの教えた技…」
「あ、あ、あ、あ…」
西山は震えていた。そりゃもう失禁してしまったアルツハイマーのご老人のよ
うに震えていた。
「あんのぶぁか弟子がああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
その絶叫は校舎中に響いたという。
「革命終了、ですかね…!?」
着地したひなたは信じられないものを見た。
「なるほど、確かに凄い技だ…」
久々野は不敵に笑うと、腕組みを解いた。
ひなたと美加香は思わずあとじさった。
「あ、あの流星群の中なんで生きていられたんです!?」
殺すつもりだったんかい、おい。
「ふ、これをみるがいい!」
そういって久々野が指差した先には…!
梓がぼろぼろになって倒れていた。
「梓は身を挺して私を守った…!私は全力を持って君を倒す!それが私の愛
だ!」
びくっとしてひなたは立ちすくんだ。
「こ、これが…!愛の力だというのか!?」
そして、しゃがみこむ。
「なんか、僕が悪人みたいじゃないか…いいよな、正義ぶってられる人は…」
「ひなたさん、こんだけやっといて悪人じゃないって言い張りますか…?」と美
加香が小声で突っ込んだ。
周囲は死屍累々としており、生き残っているのは久々野、ひなた、美加香だけ
だ。
「いくぞ、私の力を受けるがいい!」
久々野の頭の上に紫電が光球となって舞う。
デンパの力だ。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」バリバリ!
「非道バリヤあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」さっ!
「うきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」ずかかかかかか!
久々野はぜいぜいと荒い息を付くと、ひなたに指を突きつけた。
「だから女の子を盾にするな!」
ひなたはふっ、と笑った。
「盾?…違いますね。これは愛!美加香の私に対する愛なのです!」
美加香は目に涙を溜めてひなたを眺める。
ひなたはにっこりと笑うと、聞いた。
「愛ですよね?」
「ううぅ、そ、そーですぅ」
美加香は泣きながら言った。
そう言わなきゃあとで何されるかわかんなかったから。
泣きながら、言った。
「ほーら、彼女も認めている」
「そうか、愛なのか」
こら、納得するな。
久々野はぶらんとぶら下がる美加香を指差した。
「ところでその子、何で死なないんだ?今の、かなりきつかったはずだが…」
「ああ、それですか。だって、こいつの属性は…愛ですから」
「ふーん、そうなのか…」
愛。デンパに対しては殆どダメージを受けない属性である。
祐介も月島兄も「愛」属性である瑠璃子には根本的に弱い。
ひたすら弱い。え?それは「惚れた弱み」じゃないかって?
そうかもしんない。
「じゃあ」久々野はそう言っててこてこと美加香に近づくと、その頭を手にした
ブラックジャックでぽかりと殴った。
「これで問題なし」
「あああああ!?」
美加香は脳震盪を起こして気絶してしまった。
「美加香!?貴様それでも副属性格闘ですか!?眼を覚ましなさい!」
「きゅ〜」
美加香はいくら振っても首をがくんがくんさせるだけで眼を開こうとはしなか
った。
「ちっ!」ひなたはぽい、と美加香を放り捨てた。
「君、本当に非情だね…」と久々野は半眼で呟いた。
「美加香が起きてなければストライクは打てない…だが、外道メテオがあれば
…!?」
ひなたは制服を叩いて青ざめた。
久々野がにやりと笑う。
「どうやら弾切れのようだね☆」
ひなたは大きく跳びさがった。
「まだまだ!外道メテオは物理攻撃だけじゃない!」
そう叫ぶと、ひなたは再び美加香を手に取ると上空へと放り投げた。
続いてジャンプし、美加香を空中で踏んづけると(ぐえっ!?)更に高みへと
二段ジャンプする!
「必殺!」
「させるかよぉぉぉ!」
久々野は上空へ向かってデンパを放った。
同時にひなたも暗器を取り出していた。
「外道メテオ!」
「超必殺デンパ!」
デンパは物理攻撃に干渉しない。
物理攻撃もデンパには干渉しない。
二人の繰り出した攻撃は互いに相殺することもなく相手に向かって行った。
「うぎゃあああああ!?」ひなたの叫び。
そして。
「どひぇぇぇぇぇぇ!?」
納豆やら豆腐やらクリームパイやらゼリーやらいろんな「頭から引っかぶりた
くないもの」の洗礼を受け、泣き叫ぶ久々野。
精神攻撃同士の戦いは互いの精神に甚大なダメージを与え…
ひなたが何とか着地したとき、二人はまだ息があった。
そして、どちらも立っていた。
ひなたは憔悴し、久々野は頭からミミズの入った袋を被せられていたが。
「こ、これで勝負をつけてやる…」
「つぎで、死なす…!」
二人は互いに一歩引き、息を吸い込む。
「必殺と書いて必ず殺す!」
「滅殺と書いて滅ぼし殺す!」
気合を込めて放たれた拳は相手に伸び…
ずかぁぁぁぁぁぁぁぁん!
『掃除の邪魔をするなああああああああああ!』
ゆきとセリスのモップがひなたと久々野の頭を殴り飛ばしていた。
二人の眼には誰が戦っていたかは映っていなかった。
思うことはただ一つ、『マルチの掃除の邪魔をすんじゃねえ!』
「あー、ゆきさんセリスさんそっちの掃除は終わったんですか?」
「うん、もうばっちり」
「変な奴等が散らかしまくってたから苦労したよ」
「じゃあごみ捨てしなきゃ」
ひなたは眼を閉じたまま久々野に語り掛けていた。
「僕は間違っていたんですね…由紀も美和子も被害者…滅ぼすべきは百合ではな
かった…!」
「解ってくれたか、風見君」
「はい、いまこそ真の敵が見えたような気がします」
「成長したな…」
「ありがとうございます」
「まあ、今日のところはとりあえず…」
「ゆっくり寝ましょうか…」
戦士の休息は二人をゆっくりと安寧へと導く。
今こそ二人の熱く戦った戦士達は眠りに就くのだ。
だが、それはしばしの休息…。
「マルチ姉さん、手伝おうか?」
「あっ、ありがとうワルチちゃん。じゃあそっちのごみ捨ててきて」
「オッケー」
ひなたは眠りの中で考えていた。
(真の悪は由紀達を操った月島兄…必ずや、奴を殺す!)
ひなたはこの後、祐介と共同戦線を張り反月島派となる。
だが、それはとりあえず…。
「あ、ぱぱぁ」
「おや、ごみ捨てか。いい子だな、ワルチは。ちょっと手伝ってやろう」
「えへへ…!」
とりあえず…。
「燃えろー!」
とりあえず、燃え盛る焼却炉から生還してからの話である。
『あじゃあああああああああ!?』
SS作家達が燃えて行くのを見ながら、一人愚か者は考える…。
「戦いは炎に燃え、炎に帰す…ううむ、美しい…」
『消えてたまるかこの耽美作家がぁぁぁぁぁ!』
すかこぉぉぉん!
焼却炉の蓋を開けて飛び出してきたSS作家達に思いっきり蹴られるFool
の姿と共にこの話は幕を閉じる…はずだ。
夕焼けはやっぱりどこまでも赤かった。
完
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ひ:やっとの思いでLメモ外伝が完成しました!
み:今日は月曜日!よって今晩は投稿しません!
ひ:というかネタがないのでしばらく投稿不可能!
み:疲労困憊しました〜
ひ:しかし今回は書いてて楽しかったです。
が、書いてて楽しい作品が面白いことは僕の場合まずない。
み:これが駄作だと?
ひ:そゆこと。なんせ僕が主人公になってるし、絶対に書き漏らしてる人がどこ
かにいるでしょう。
み:大変ですね〜
ひ:ホントに、今まで書いてきた人たちってすごいなあ。
それにしても…サクシャマン、貴様と同棲か…
み:私、雅史先輩一筋ですもん!
ひ:そうですか。僕は結構いいと思っているのですが
み:え!?あ、あのひなたさん、それって…
ひ:貴様がおさんどんで御飯作ってくれる、なんてらくちん
み:…ひなたさんはそういう人ですもんね…期待した私が馬鹿だった…
ひ:何を期待するとゆーのか。貴様は私の娘ですから。
み:…まあ、いいか…ひなたさん、ありがと☆
ひ:というわけで貴様は今日から「丁稚給仕清掃係なんでもこいのオールマイテ
ィ少女」と呼びましょう
み:前言撤回ーーーー!
ひ:気に入らなければ「丁稚給仕清掃係なんでもこいのオールマイティ幼児体型
貧乳すかたん召し使い少女」と呼びますが?
み:いらん!
ひ:レス!
まさたさん…ごめんなさい。僕はこれだけは言っておかなければいけないと
思うんです。
「希望」か?、と。
あのエンドは、このまま育てれば必ず殺戮を犯すであろう赤ん
坊を解っていても慈しみ、頼り、育ててしまう梓の「狂気」と
「破滅」とも取れるのではないか、と。
…蛇足でしたね。
ですが、僕の考えていたあの話の続きでは、梓は非業の死を遂
げます…。
だから、書きません。
ハイドラントさん…僕は目標になれるような男じゃありません。
あなたはもっと優れた方を目標にすべきです。
僕は…そうですね、投稿仲間になります。
一緒にもっと面白い作品を書けるよう頑張りましょうね。
ところで…ダークというかネガティブというか…
僕にはちょっと恐すぎるです。かなり「読める」作品だ
とは思うんですけど…
健やかさん…出番待ち☆早くでないかなあ…(催促してます)
NOGODさん…歌いにくいんですけど、これ…(めっちゃ失礼)
あと、いろいろあるんだけどとりあえずごめんなさいな方々
久々野さん…ごめんなさい大賞。キャラがちがってますね。
ジンさん…個人に恨みがあるわけではないのですが、なんだかすっごくこん
な役に適してませんか?
静さん…また声だけ、ごめんなさーい!
西山師匠…ごめんなさいではないのですが、こんなもんでよろしいですか?
み:以上!なんか、異様に暗くありませんか!?
ひ:BLOODY BRIDEは希望と取るか…
本人が書き上げたとき「破滅」を書いたんだけど…読み返したら「希望」と
も取れてしまった。無意識下で何か抵抗が働いたのか…?
み:「希望」でいいんじゃないんですか?
ひ:続編で「希望」にするつもりだったんだけど…まあいいや。
み:いいんですか!?
ひ:続編も希望にすればいいの。
もともと僕はダークの中にも優しさを求める男だから、これでいいのさ。
み:ま、いいか
ひ:ではではみなさん!「マジネタ切れ」風見 ひなたと!
み:「ひなたさんといっしょ!」赤十字 美加香でした!