「ただ復讐の為だけに」 復讐。 人はそれを無意味なものだと言う。 復讐などしたところで、後には何も残らない、と。 だが、人は復讐する。 何かを求めてではなく、復讐することそれ自体に意味があるのだと信じて。 「で、これは復讐ですか?」 「その通りだ、無音。いや……」 学園内の荒野(あるらしい)の真ん中に、向き合う男が二人。 一人はサングラスにコートを羽織った男。 一人は黒い戦闘服に身を包んだ男。 第二購買部のbeakerと、十三使徒の首長ハイドラントである。 「beaker。貴様に受けた屈辱の記憶が、私を苛むのだよ」 「屈辱?」 「そうだ」 ハイドラントは、ぎらりと目を光らせた。 「試合とはいえ、私を敗者の座に追いやった事が、ひとつ」 「……」 「綾香の前で恥をかかせてくれた事が、ひとつ」 「……ふむ」 「そしてもうひとつ……」 彼の表情が、激しい憎悪に引き歪む。 思わず後ずさるbeaker。 ぐわっと拳を握り締め、ハイドラントは咆哮した。 「この俺を差し置いて、いっぱしの悪役ヅラしやがって!! 羨ましーじゃねーか、ちくしょーーーーーーー!!!!!」 「それが本音ですか」 「つー訳で、だ」 すちゃ、と無表情に戻るハイドラント。 「屈辱を晴らさせて貰おう。 我が――」 1、『神威のSS』で! 2、黒魔術で! 3、全ての力で! *********************************** (1) 「『神威のSS』でな。 神威の技――羅喉流の力はあの程度ではないと言うことを教えてやる」 「ふっ……」 beakerは小さく笑った。 「いいですよ。前回は不意打ちだったから負けたと思っているのかもしれませ んが、正面からやっても同じだと言うことを教えて上げましょう!」 「出来るつもりかっ!」 「出来ますともっ!」 「真の神威の技、見るがいい!!」 「いざ、勝負!!」 二人は同時に地を蹴った! 「プアヌークの邪剣よ!」 ・ ・ ・ ・ ・ 「……で、神威のSSはどこに行ったわけ?」 「勝ちゃいーんだよ、勝ちゃ。復讐なんだし。 それより綾香手伝え。その焼死体、ロウで固めて白く塗るんだ。 カーネルおじさんにしてケンタッキーの前に置くんだからよ」 「…………」 完。 *********************************** (2) 「黒魔術をもって、な。 魔術士の力というものを教えてやる」 「ふっ……」 beakerは小さく笑った。 こんな事もあろうかと持ってきたマント(対魔術用絶縁体)を取り出す。 「いいですよ。前回は格闘のみの勝負だったから負けたと思っているのかもし れませんが、魔術を使っても同じだと言うことを教えて上げましょう!」 「出来るつもりかっ!」 「出来ますともっ!」 「魔術の力、見るがいい!!」 「いざ、勝負!!」 二人は同時に地を蹴った! 「あー。そー言えば言うの忘れてたけど…… そこ、深さ10メートルの落とし穴があるから気をつけてな。もう遅いが」 ・ ・ ・ ・ ・ 「……で、黒魔術はどこに行ったわけ?」 「勝ちゃいーんだよ、勝ちゃ。復讐なんだし。 それより綾香手伝え。その墜死体、腐る前に引き上げるんだ。 グラム百円で中華料理屋に売るんだからよ」 「…………」 完。 *********************************** (3) 「全ての力をもって、な。 この私――『塔』の暗殺者ハイドラントの力を教えてやる」 「ふっ……」 beakerは小さく笑った。 こんな事もあろうかと持ってきたバトルアーマー(個人装備型掃討戦用兵器) を取り出す。 「いいですよ。前回は格闘のみの勝負だったから負けたと思っているのかもし れませんが、全力勝負でも同じだと言うことを教えて上げましょう!」 「出来るつもりかっ!」 「出来ますともっ!」 「我が力、見るがいい!!」 「いざ、勝負!!」 二人は同時に地を蹴った! 「我は放つあかりの白刃!!」 「蹴撃刀勢!!」 「佐藤式龍槌閃!!」 「聖珠招来!!」 「烈風刺突!!」 「って、どっから生えた葵五人衆ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!??」 ・ ・ ・ ・ ・ 「……で、あんたの力はどこに行ったわけ?」 「勝ちゃいーんだよ、勝ちゃ。復讐なんだし。 それより綾香手伝え。その人間の残骸、集めて袋に詰めるんだ。 サンドバックにして葵に渡すんだからよ」 「…………」 完。 ・ ・ ・ ・ ・ 人は復讐する。 何かを求めてではなく、復讐することそれ自体に意味があるのだと信じて。 しかし、 復讐の後には、救いなき虚しさしか残らないのだ…… ハイドラント「…………虚しい」 beaker「ならやるな、ボケェェェェェェェェェ!!!」 Lメモいんたーみっしょん5「ただ復讐の為だけに」 END *********************************** てな訳で、期待に応えてリベンジL(笑) 事情が分からない人は、びーかーさんのグラップラーLを読むよーに(笑)