菅生誠治は困っていた。 川越たけるが怒っているからである。 怒らねばならないようなことでもないと思うのだが。 川越たけるは怒っていた。 菅生誠治が困っているからである。 困らねばならないようなことではないと思うのに。 「いや、セリオ@電柱ってのは……」 「電芹です!」 「いや、略称はそれでいいんだけど……」 「電芹は電芹であって電芹だから電芹なんです! 略称も何もありません!! って言うかセリオ@電柱って何なんですか!?『せりおあっとまーくでんちゅう』!? 変です変です異常です絶対可愛くないですっ!!」 可愛さの問題なのかはともかく、個人的には彼女に賛成である。 「ま、まあ、正式名称はグレース・セリオ――」 「それはメイドロボとしての名前です! 電芹の電芹としての心の名前は電芹 なんです! 他に名前はいらないんです!」 「いやしかし、彼女はあくまで俺が作ったメイドロボだからグレースな訳で」 「電芹!」 「いや勿論それはそれでいいけれど、正式名称としてグレース……」 「で・ん・せ・り!!」 「…………」 菅生誠治は困っていた。 川越たけるは怒っていた。 そこへ、第三の人物が現れた。 「話は全て聞かせてもらった」 「うわ唐突に黒い物体」 「あっ、ハイドさん」 「話は全て聞かせてもらった」 「いや、それはもう分かりましたけど」 「ああ済まん。かっこいい台詞だったんでつい。 とにかく二人とも無益な争いを止めよ。この場は私に任せるがいい」 「……君に?」 「……ハイドさんに?」 「心配は無用だ。神は私に人々を導かせるべく至高の叡智を授けている。 今後、電芹のことはこう呼ぶが良い――」 天を仰ぐハイドラント。 それはあたかも、敬虔な信徒が神に語り掛けるが如く。 荘厳と形容しても過分ではないだろうバスが、その一言を紡いだ。 「グレ芹」 ダブルキックはハイドラントを三日ほど死なせた。 *********************************** 元ネタはなかちゃの会話。 心があるなら非行もあるんじゃないかと思うがどうか。 ともあれこんな感じで俺は元気です。