Lメモいんたーみっしょん8「ひよこのおんがえし」 投稿者:ハイドラント


 むかしむかしあるところに、おじいさんとおばあさんがすんでいました。
 かんけいないですが。
 …………
 つかみはこけたようですね。
 それはさておき。
 むかしむかしあるところに、はいどらんとというとってもじゃあくでだーく
なおとこがいました。
 むかしもあるところもなにも、いまのりーふがくえんじゃねえのかよとか、
はいどってさいきんぎゃぐのがおおくねーかとか、そーゆーべたなつっこみは
しかとこきます。
 あるひ、はいどらんとがさんぽしていたときのことでした。
 ふとかたわらにめをむけると、ふたりのにんげんがなにやらあらそっている
ではありませんか。
「どきなさいRune君、この獲物は第一発見者としてわたしが所有権を主張
しますっ!」
「発見者の権利だとっ!? そのよーなもの、五日間氷以外の固形物を食って
いない人間の生存権に比較すれば日本人の選挙権より虚しいもの! つー訳で
これは自分のだゴキブリマンレディー!!」
「誰がゴキブリマンレディーかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」
 いちねんのるーんとにねんのごき……もといひなやまりおでした。
 なにかをとりあってけんかをしているようです。
「ふっ……何のゆえか知らぬが、下らぬ争いだ」
 なまいきにくーるをきどってはいどらんとがたちさろうとしたとき、それが
めにはいりました。
「ぴー! ぴー!」
 いちわのひよこ。
 かわいいはねをぱたぱたさせ、ちいさなひよこがふたりのあらそいのなかを
にげまどっています。
 それをみたはいどらんとは、いっしゅんでこうどうしました。
「ひよこまんじゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
 なにやらまちがったことをさけびながらふたりのあいだにとびこんだのです。
「ぬぅっ! 今度はゴキブリマンノワールかっ!」
「どけい白蟻男あんどゴキブリ女! これはダーク十三使徒が食料として接収
するっ!!」
「だから誰がゴキブリですかぁぁぁっ!?」
「五日ぶりのタンパク質ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!」
「俺だってここんとこお茶っ葉くらいしか食ってねーんだぁぁぁぁぁぁ!!」
「聞けよこの白黒害虫コンビっ!!」
 けんけん、がくがく。
 あらそいはひがくれるまでつづきました。
 そして、さんにんがふときがついたときには、ひよこはとっくににげだして
すがたをけしていたのでした。


 そのよる。
 だいにさどうぶにもどったはいどらんとが、はらいせにかんなぎりょうはと
くずたくずやを「とっとと使徒L書けい」とかいいつつぼてくりこかしたり、
そしたらうっかりながれまじゅつをやよいさんにあててしまってさかさづりに
されたりしていたときのことでした。
 こんこん、と、とびらをたたくおとがします。
「はーい」
 たけるがげんかんまででていきました。
 そして、とびらをあけるまえにいいます。
「うちはNHK見てませんよー」
 おやくそくでした。
「あ、あのー。わたしは……」
「新聞ならいりませんよー」
「え、えーと……」
「宗教も結構ですよー。っていうかうち自身が宗教団体ですー」
「あの、ですから……」
「とにかくうちにお金はありませーん。しつこく居座る気なら呪っちゃいます
よー。制限時間あと三秒だよー」
「う……」
「さん、にー、いち……」
 ぱたぱたぱたぱた。
 ……………………………………………………
 にげだしたようでした。
「さすがですね、たけるさん」
「えへへ、すごいでしょ電芹。NHKの集金人でも新聞勧誘員でも、いまので
逃げ出さなかった人はいないんだよ」
 そんなこんなで、そのよるはなにごともなくふけてゆきました。


 よくあさ、めをさましたはいどらんとが、うえきのせわをするためににわに
でてきたときのこと。
 そこに、ひとりのむすめがまっていたのです。
「何だ、お前は」
「あのあのえっと、むらさきといいます。
 ハイドランドさんですね?」
「違う」
 よくあるまちがいでした。
「あ、あ、ごめんなさい。ハイランドさんでしたか?」
「死ぬか、おい」
 ちなみにむかしのりーふとしょかんのさくひんいちらんには、このなまえが
のっていました。
「あうあうあうあうあう、すみません。
 そのあのえっと、あなたのもとではたらきたいので、『だーくじうさんしと』
に入れていただけませんか?」
「平仮名読みすな」
 とりあえず、はいどらんとはあらためてそのむすめをみまわしてみました。
 ねんれいはじゅうよんさいていど、つるぺたのたいけいで、このへんはなか
なかつぼをついていましたが、それいじょうにおばかなふんいきがはいどてき
にはのーさんきゅーです。
 なので、はいどらんとはつめたくいいました。
「帰れ」
「今ならセットでサ○ニシキ一年分がついてきますけど」
「良くぞ我がもとに来た、新たな使徒よ」
 こうしてむらさきというむすめはしとになりました。


 それから。
 むらさきはじゅうさんしとのせんとうにたち、そのすさまじいはかいりょく
をぜんかいにしてあばれまわりました。
 いまでは『はかいのだいしと』とよばれ、だれからもおそれられるりっぱな
だーくしとです。
「うわー、むらさきが来たーっ!」
「逃げろ、MAP攻撃の巻き添え食うぞっ!」
「退避、総員退避ー!!」
「……ジン先輩、なんか戦わずして十三使徒が逃げていきますが」
「あのむらさきってのが来てから、俺達エルクゥ同盟の仕事が楽になったのは
いーんだが……なんか虚しいぞ風見」
 そんなあるひのこと。
 ばたばたばた……だんっ!
 だいにさどうぶのろうかをどとうのいきおいではしりぬけ、はいどらんとが
むらさきのへやにとびこみました。
「むらさきっ! てめえ、俺の秘蔵の茶器『松花茶壷』を割りやがったなっ!?
原子分解してやるからそこに直れ……えっ?」
 そこには。
 むらさきのすがたはなく、かわりにいちわのひよこがぴよぴよないています。
 と、そのひよこがけむりにつつまれ、なかからむらさきがあらわれました。
「むらさき……」
「黙っていてすみません。
 実はむらさきは、あの時助けてもらったひよこなの」
「いや、それは知ってたが」
「え? どうして?」
「いや、話の展開的にそーとしか」
 ひねたみかたをするやろーです。
 それはともかく、むらさきはかなしげにかたりはじめました。
「お兄ちゃんに助けてもらったあと、恩返しをしようと思ってかみさまに魔法
をかけてもらったの。
 それでむらさきは人間になれたんだけど、この魔法は他人に正体を知られる
と解けてしまうんです。お兄ちゃんに見られちゃったから、もう人間の姿では
いられません。
 だから、お別れです……」
「うーむ。まあお前って強いけど味方も巻き添えにするし、大飯食らいだから
コスト高いし。だいたい持参金の米一年分だってあらかた自分で食いやがった
しな。
 考えてみると邪魔っぽいから帰ってもいーやってーかむしろ失せろ今すぐ」
「ああ、引き止めてくれるのは嬉しいけれど、これは決まりなの。
 さようならお兄ちゃん、またいつか会おうね……」
「おう、もう二度と来るなよ」
 ふたりのかいわはぜつみょうにくいちがっていましたが、どちらもきづいて
いないようでした。
 どろん、とふたたびひよこのすがたになり、むらさきはぴぃぴぃなきながら
とびさっていきます。
 ところで、ひよこってとべるんでしょうか。かんけいありませんが。
「…………しまったっ!?」
 きえていくむらさきをぼーっとながめていたはいどらんとでしたが、はっと
なにかにきづいたようにかおをひきつらせました。
「茶器の弁償させてねーじゃねーかっ!!
 てめむらさき、戻れ! かむばーっく!!!」
 はいどらんとのひつうなぜっきょうが、がくえんにこだましました。


 そのよる。
 はいどらんとがはらいせにべねでぃくとに「喜べ。フィ○リゾから朱○童子
に改造してやろう」とかいいつつむりやりかおにめいくをいれたり、そしたら
うっかりてをすべらせてやよいさんのほっぺたにひげをかいてしまいべれった
えむきゅーにーえふでしゃさつされたりしていたときのことでした。
 こんこん、と、とびらをたたくおとがします。
「はーい」
 たけるがげんかんまででていきました。
 そして、とびらをあけるまえにいいます。
「うちは自家発電してますよー」
 おやくそくでした。
「あ、あのー。わたしは……」
「ガスも自家生産ですー」
「え、えーと……」
「厚生年金は払いませーん。日本がいつまで続くか不安だしー」
「あの、ですから……」
「とにかくうちにお金はありませーん。しつこく居座る気なら藁人形に釘打ち
ますよー。ちなみに四本打つと死んじゃうんだよー」
「う……」
「じゃあまず一本め……」
 ぱたぱたぱたぱた。
 ……………………………………………………
 にげだしたようでした。
「さすがですね、たけるさん」
「えへへ、すごいでしょ電芹。電気やガスの集金人でも厚生省のお役人でも、
いまので逃げ出さなかった人はいないんだよ」
 そんなこんなで、そのよるはなにごともなくふけてゆきました。


 よくあさ。
「で」
 にわにでたはいどらんとは、さめたこえでいいました。
「なんであっさり復活してんだよお前は」
「お兄ちゃん……」
 むらさきです。
 ちゃんとにんげんのすがたで、なぜかてれながらむらさきはいいました。
「あのあと、もう一度かみさまに会って頼んだの。人間に戻してくださいって。
 かみさまは、人間になる魔法は一度しか効かないが、ハイドラントがお前の
帰りを心底望んでいるならば奇跡は起きるだろう、って言ってもう一度魔法を
かけてくれて……
 そうしたら、人間に戻れたの」
 そういうと、むらさきはぽっとほおをあかくしてうつむきました。
「ありがとう、お兄ちゃん。むらさきのことを想ってくれて……」
「うむ、確かに心底願ったぞ。お前が戻って茶器の弁償してくれることをな」
「ああ……これはもしかして、愛の力?」
「ちなみに松花茶壷は『信長の野望』覇王伝では六千貫だった。弁償には一生
かかると思うがまあ頑張れ」
 あいかわらず、ふたりのこころはおもいっきりすれちがっています。
 それはいいとして。
 ふと、おもいついてはいどらんとはききました。
「なあ、むらさき……神様って、誰なんだ?」
「私よん☆」
 むらさきではなく、はいごのこえがこたえました。
 ぎしり。
 そのはすきーなこえに、はいどらんとがかたまります。
 ぎりぎり、と、からだをきしませながらふりかえると。
「エルクゥ・ユウヤ☆」
「おぉぉぉぉぉまぁぁぁぁぁえぇぇぇぇぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!??」
「あ。かみさま」
「あれのどこが神様だボケ娘ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」
 ちをはいてぜっきょうするはいどらんとに、かみさまはにっこりとわらって
いいました。
「ハイドラント君、私は貴方の愛に感動しましたっ。祝福してあげます☆
 さ、目を閉じて。じゅてーむ……」
「ガディムの叫びよぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 ……それからしばらく、だいにさどうぶからはまじゅつのばくおんとひめい
とくるったわらいごえがたえなかったそうです。


 と、いうわけで。
 にんげんになったむらさきは、きょうもはいどらんとのめいれいをうけて、
げんきにはかいかつどうをしています。
 きゅうりょうはじきゅう250えん。けどしゃっきんをぜんぶかえすまでは
ぼうびきです。
 しかし、むらさきはそんなことはまったくきにせずにあばれまわり、さらに
しゃっきんをふやしてはいどらんとをおこらせまくりましたとさ。
 めでたし、めでたし。




       Lメモいんたーみっしょん8「ひよこのおんがえし」 END

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 注・この物語はフィクションです。実際のLメモ設定とは(以下略)


結城光「いっそのこと、これ正式設定にしちゃいません?」
ハイド「いーからはよ強化人間編を書け」