Lメモへーのき番外編4『来栖川警備保障新人研修の巻』前編 投稿者:へーのき=つかさ
 とある日の放課後・・・
 セキュリティ本部で、へーのきはDマルチの入れてくれたお茶を飲みながら、栗ようかんをつっつ
いていた。
「はあ、久しぶりだなあ・・・こんな落ち着いた放課後は・・・」
 しみじみとそんなことをぬかすへーのき、なんかじじ臭い。

 ドンッ!

 だが、そんなささやかな幸せも長くは続かなかった。
「セリオさん・・・何これ?」
 へーのきの前に、分厚いファイルが置かれた。
「──これは、来栖川警備保障の新人研修カリキュラムです」
「新人研修?」
「──はい、先日、OLHさんと榊さんがアルバイトする事に決まったのは知っていますよね?」
「うん、じゃあふたりが受けるの? 新人研修を」
「──そうです」
「そうか・・・」
 そこで顔をしかめる。
「あれ? そういえば、オレって受けてないよ。新人研修」
「──へーのきさんは特別です。初めて会った時、身体能力等をしっかりチェックしましたから」
「初めて会った時・・・」
 へーのきは、Dセリオと初めて会った時の事を思い起こした。

 あれは・・・・・・確かオレがまだ一年だった時・・・
 夜、学校に忘れ物を取りに戻った時だったな・・・
 その頃、セリオさんはまだ試験運用中で夜しか見回りしてなくて、みんなその存在を知らなかった。
 当然オレも知らなくて、廊下でばったり会った時、生徒の方のセリオさんだと思った。
 で、そっちのセリオさんとは顔見知りだったから、声をかけて・・・・・・いきなりマシンガンの洗礼を
受けた。
 当然襲われる理由の分からないオレは逃げる、オレがここの生徒だという事に気付かないセリオさん
は銃火機を乱射する。
 最終的には、お互い誤解に気付いて命は取り留めたけど・・・すでに校舎は半壊していた・・・

「──どうしましたか? 顔色が悪いですよ」
「い、いや、なんでもないよ、マルチさん」
 確かに、あのDセリオの見境ない猛攻に耐えられれば、ここの仕事もなんとかやっていけるだろう。
「──それで、新人研修の件ですが・・・」
 へーのきが気分悪そうにしているのを完全に無視し、Dセリオが説明を続ける。
「──三日後の日曜日、朝六時から開始します」
「朝六時か・・・早いなあ・・・」
 人事のように呟くへーのき
「──というわけで、へーのきさん、準備等がありますのでさらに三十分早く、五時半に来てください」
「えっ!? オレも行くの?」
 本当に人事だと思っていたようだ。
 だが、ここの職場はそんなに甘くない。
「──アルバイトの先輩として当然です。それと、そこのファイルを当日までに一通り読んで来てください」
 そう言って、さっき置いた分厚いファイルを指差す。
「ちょ、ちょっと! これって軽く千ページはありそうだよ!?」
「──それが?」
 にこやかな、それでいて有無を言わせない凄みのある笑みを浮かべるDセリオ。
 その、千鶴もかくやと言わんばかりの微笑みをされては、さすがのへーのきも反論できない。
「うう、分かりました、読んで来ます・・・」

                    ★★★

 そしてついに、新人研修の日がやってきた。
「ついにこの日がやってきたか・・・」
「そうですね・・・」
 OLHと榊が、神妙な顔つきで校門に立っている。
「この研修を終えれば、俺達は来栖川警備保障の一員。もうDセリオに狙われずに済む!」
 アルバイトの動機が不純だ。
「そ、そうですか・・・私は図書館の警備を固めようと思いまして。それにもう少し力もつけたいですし・・・」
 一方、こちらは前向きだ。
 ふたりがそんなやりとりをしていると・・・
「──おふたりとも、逃げずにきちんと来たようですね」
「逃げずにって・・・」
 そこへ、Dセリオとへーのきがやって来た。
「あっ、おはようございますセリオさん。今日もいい天気ですねー」
 突然言葉づかいが変わるOLH
 榊の顔が少しひきつっている。
「──おはようございます。それでは早速研修を始めましょうか」
 ふたりを一瞥すると、Dセリオはへーのきの方を向いた。
 へーのきは、ファイルに書かれていた内容を思い起こす。
「えっと・・・じゃあ始めは教室で、来栖川警備保障の方針とかを・・・」
「──まずは実演練習からです」
「え? だって最初は・・・」
「──昨日新人研修の内容が変更されました。よって、今日はその新カリキュラムに沿って行います」
「そんないきなり・・・じゃあオレの努力は・・・?」
「無駄になってしまいましたね」
 無表情に冷たい事を言うDセリオ
「い、一体誰が決めたの?」
「──私です」

 ひゅるりら〜〜〜

 一陣の風が吹いた。
「──では、気合入れていきましょう」
 嬉々としているDセリオとは対照的に、OLHと榊は思いっきり沈み込んでいる。
「既にお互い後悔してない?」
「少し・・・」


「──おふたりには、校舎の見回りをしてもらいます。」
 OLHと榊に演習の内容説明をするDセリオ
 ふたりは緊張した面持ちで聞いている。
「──しかし、ただ見回るだけでは演習の意味がないので、不良箇所を故意に作ってあります」
「不良箇所?」
「鍵の閉め忘れやガス漏れとかですよ・・・・・・たぶん・・・」
「なんですか、その"たぶん"っていうのは」
 へーのきのあいまいな答えに突っ込む榊
「──あと、数人の方に不審人物役をお願いしました」
「その人達は捕まえた後どっかに引き渡すの?」
 へーのきが質問する。
「──いえ、今回はあくまでも演習ですから捕らえるだけで結構です。警察への引き渡し等は考え
なくて結構です」
「なんか本格的ですね」
「そうだなあ・・・」


 四人は正面玄関までやって来た。
「──終了条件は校舎内の全設備の点検、及び全不審人物の捕獲です。それが終わるまで校舎外へ
出る事を禁止します。へーのきさん、後は頼みましたよ」
「はい・・・」
 いつのまにかふたりと一緒に演習を受ける事になっていた(名目上はふたりの監視という事になって
いる)へーのきが、うなだれたまま返事を返す。
 その様子を見て、OLHと榊の表情はさらに重くなる。
「──時間は無制限です。では、始め!!」

                    ★★★

「窓の鍵・・・・・・よし」
「教室の電気・・・・・・よし」
「消火器・・・・・・よし」
 へーのきの指導の下、OLHと榊は黙々とチェックをしてゆく。
「いちいち鍵を調べるのは疲れるなあ」
「でもまあ、これくらいは我慢しないと、なにしろ時給980円ですし・・・・・・ねえ? へーのきさん」
「・・・・・・・・・」
 へーのきは榊の言葉には答えず、何やら深刻そうな顔をして考えこんでいる。
「へーのきさん、どうしたんですか?」
「あ、いえ、なんでもないです」
 そう言って、一歩前に踏み出した時だった。

 ズドォォォォォン!!

 突然へーのきの足元が爆発した。
「へーのき!!」
「な、なんだ!?」
 やがて白い煙が退いてくると、そこには真っ黒になったへーのきが突っ立っていた。
「やっぱりこう来たか・・・」
 ぽっ、と煙を吐きながら、うなだれる。
 まだ余裕があるらしい、タフだ。
「やっぱりって?」
「トラップ・・・セリオさん、校舎にトラップ仕掛けまくったんですよ。オレ達を試すために」
「トラップを!? なんでそんな事を」
「理由なんてありません。そうゆう人なんです、あの人は・・・」

 ひゅるりら〜〜〜

 再び一陣の風が三人の間を吹き抜けた。
 永遠とも思える沈黙の後、榊が呟いた。
「・・・って事は、もしかして不審人物も・・・?」
「たぶん・・・猛者ぞろいだと思います・・・」
「どーすんだよ、俺達・・・」
「行くしかないでしょう、セリオさんの銃火機の洗礼を受けるぐらいならそっちの方がマシです」
「あ、あ、あ・・・」
 OLHも榊もこのアルバイトを選んだ事を心底後悔した。
 しかし、後悔先に立たず。
 今更ウダウダ言ってももう遅い・・・
「とにかく、無駄な体力を使わないようにしましょう。たぶん持久戦になりますよ」
「それが賢い選択だな」
「!?」
 その声は三人が発した物では無かった。
「だ、誰だ!!」
 その声の主は・・・
「安心しろ、本気は出さないからな」
 日本史教諭、柏木耕一その人であった。
「「「いきなりかいっ!!!」」」
 三人の心の声がシンクロした。

「太田さん・・・私はあなたのためなら・・・」
「琴音ちゃんがひとり、葵ちゃんがふたり・・・」
「みんなはオレをセリオ好きだと思ってるかもしれないけど、ホントはマルチだって大好きなんだ・・・」

 戦う前から彼らは現実逃避している。
 まあ無理も無い、それだけ彼は強いのだ。
 が、当の耕一は呆れた顔をしている。
「おいおい、別にお前達を狩るって言ってるわけじゃないんだぞ。ある程度戦ったら捕まってやるからさ」
「先生・・・いくら給料が安いからってこんなバイトしていいんですか?」
 榊のさりげない外道な質問に耕一の顔が真っ青になる。
「べ、別に生活が苦しいわけじゃないんだぞ。確かに先月は腰を痛めて入院したし、二週間ほど前には
腹を壊して一週間ほど通院したし、三日前は家具全部を粗大ゴミにされちゃったけど・・・」
(千鶴さん・・・)
 へーのきとOLHは泣きながら鼻血を流していた。
「それに、こんなところにいていいんですか? 千鶴先生を放っておいて・・・」
「放っておいてって・・・俺達はそんな仲じゃ・・・」
 耕一はたじたじだ、あきらかに榊に押されていた。
 その時だった。
「耕ちゃ〜〜〜ん」

 びくぅ

 耕一が硬直する。
 なんの脈絡も無く、セーラー服姿の千鶴が現れた。
「もうっ、耕ちゃんの家に夜這いに行ったらいないんだもの。仕方ないから掃除と朝食の用意しちゃった♪」
「そ、う、じ? ちょ、う、しょ、く!?」
「ささっ、早く帰って愛を深めましょ」
「ひぃぃぃぃ・・・」
 耕一は千鶴に引きずられ何処かへ去って行った。
「た、助かった・・・」
「千鶴先生さまさまだな」

                    ★★★

 その後、三回ほどへーのきがトラップに引っかかったり、無意識のうちに坂下をふんずけたりした
以外は、特に問題も無く、順調に見回りは進んでいた。
 しかし・・・
「広すぎるぞこの学校は!!」
 そう、設備が多すぎるのだ。
「もうすぐ昼ですね」
「お腹空いてきたな・・・」
 腹を空かせた三人は、食堂へ行ってみた。
 だが、当然の事ながら日曜はやっていない。
 もちろん売店も閉まっていた。
「おいおい、昼飯はどうするんだよ」
「見回りが終わるまで外には出れないし・・・」
 そこへ、おかもちを持ったDマルチがトテトテとやって来た。
「──みなさん、昼食です」
「おおっ、ちゃんとその辺は考えててくれたのか」
「やったー」
(三人のDセリオポイント+1)
 Dマルチは、おかもちを開けると中身を取り出し始めた。
 カツサンド、串カツ、カツカレー、カツ丼、チキンカツ・・・
「・・・・・・・・・」
 OLHと榊は嫌な予感がした。
「じゃあオレカツ丼」
 しかし、へーのきは何も考えずにカツ丼に手を伸ばした。
 その刹那!

「カツはだめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 へーのきは、突如現れた葵の崩拳をくらい、宙を舞った。
 さらに真空波動拳で追い討ちをかけられ、何処かへと吹き飛んで行った。
 だが彼は、それだけの攻撃もくらいながらも、最後までカツ丼を手放さなかった。
「・・・・・・・・・」
 その光景を呆然と見ていたOLHと榊だったが、ふと、ある重大な事に気付いた。
「しまった! 戦力を分断された!!」
「どうしましょう・・・」
(ふたりのDセリオポイント−50)

                    ★★★

「うう〜ん、ここは・・・」
 へーのきは瓦礫の中から這い出した。
 どうやらここは中庭らしい。
 本当は即行でOLHと榊の元へ戻らなければならないのだが、腹がへっているので、とりあえず先に
カツ丼を平らげることにした。
「ちょっと味付けが濃いかな・・・」<薄味を好む
 ちょうどカツ丼を食べおわった時、彼の後ろに人影が現れた。
(誰だ?)
 へーのきは背後の気配を探る。
 それは・・・
「へーのき様、この時が来るのを待っておりました」
「せ、セバスチャンさん!?」
 それは、上半身裸でうっすらと頬を染めたセバスチャンだった。
「さあ、このセバスと共に、めくるめくる快楽の世界へ!」
「い、い、いやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

                    ★★★

 へーのきが、セバスチャンと人生を賭けた戦いを繰り広げていた頃、OLHと榊は見回りを再開していた。
「次はここだな」
 ふたりは美術室へ入った。
「散らかってますね」
 榊の言う通りだった。
 あたりにはキャンバスやら彫刻やらいろいろな物がごちゃごちゃに置かれていた。
「これじゃ何処に何があるのか分からない・・・・・・あれ?」
 OLHは立てかけてあった巨大な額縁の後ろから、誰かの髪が見えているのに気が付いた。
「誰だ! 出てこい!!」
 威圧的に言うと、その額縁の後ろにいた人物はひょっこりと顔を出した。
「え・・・?」
 OLHは一瞬思考が麻痺した。
 そう、そこにいたのは紛れもなく琴音だった。
 しかし、どう見ても6、7歳ぐらいにしか見えない。
「笛音ちゃん・・・?」
 確かに、OLHが面倒を見ている少女、笛音のようにも見える。
 でも彼女はこんなところにはいないはずだ。

 ひょこっ

「「!?」」
 なんと、額縁の反対側からもうひとりちび琴音が出て来た。
「な、なんだ?」
「笛音ちゃんがふたり・・・」

 ひょこっ

 さらに、製作途中らしい彫像の影からひとり。
「笛音ちゃんが三人・・・」

 ひょこっ、ひょこっ、ひょこっ・・・

「うわわわわっ!?」
「笛音ちゃんがいっぱい・・・」
 窓際に、総勢20人のちび琴音が整列していた。
 これはかなり凄まじい光景だ。
 ちび琴音達は、放心するOLHとうろたえる榊を怪訝そうに見つめていたが、一転、ニコッと微笑んだ。
「笛音ちゃん・・・」
 OLHはとっても幸せそうだ。
 ただ目がイッちゃっている。
「な、何ほのぼのしてるんですか! 逃げましょう。なんかイヤな予感がします」
 だが、すでにOLHは魂が体からはみ出ている。
「OLHさーん!!」
 榊の叫んだ時だった。

 ピカーン!!

 突如辺りが暗転したかと思うと、ちび琴音達が眩い光を放ったのだ。
「まさか!?」
 ちび琴音達は、紫の残像を残しながらするすると滑るようにふたりに突進していく。
「しゅ、瞬○殺ぅぅぅ!?」
 榊は慌てて美術室を飛び出した。
 そして、ドアを閉めるのと同時だった。

 カッ

 ズドバキドゴズシャドスゴキボキガシャーン!!

 窓からスポットライトのような閃光が溢れ、凄まじい打撃音が響き渡った。

 300HIT COMBO!!

 何処からともなくそんな声が聞こえたような気がした。

 しーん・・・

 そして、辺りは静寂に包まれた。
「助かった・・・・・・・・・・・・あれ?」
 一息ついたところで、榊はやっとOLHがまだ美術室の中にいる事に気が付いた。
「お、OLHさん・・・?」
 中に呼びかけてみたが、返事はない。
 心配になった榊はドアを開けてみようとしたが、すんでのところで踏みとどまった。
 中で繰り広げられているであろう惨状を想像してしまったのだ。
「OLHさん・・・・・・あとは私に任せて成仏してください!」

 ダッ!!

 榊は走り去った。
 それはもう、凄まじい速さだった。

                    ★★★

「さあ! このセバスの愛を受け取ってくだされぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「薔薇だけはいやだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 バキッ! ドカッ! ベキッ!

「ぬぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「頼むからあっち行ってくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

                    ★★★


 榊は何事も無かったかのように見回りを再開していた。
 この組織において、力のない者は外道でなければ生き残れない事に気付いたらしい。
 ただ、時々後ろを振り返ってOLHやへーのきを探しているところから、まだ外道に徹しきれては
いないようだ。
「唯一無事な私が頑張らなくては・・・あ、そうだ、後で図書館に行って日誌書かないと・・・」
 やっぱりいい人だ。

 彼はクラブハウスのあたりへやって来た。
「クラブハウスか・・・クラブハウスと言えば・・・」
 芹香がいた。
 三角帽子にマントといういでたちで。
「芹香さん・・・」
「・・・・・・・・・」
「え、こんにちは? こ、こんにちは・・・・・・そうですね、いい天気ですよね・・・・・・・・・って違う!
芹香さん、あなたも不審人物役なんですか?」
 こくこく
「はあ、よりによってひとりの時に・・・」
 さてどうするか。
 もし魔法をまともに食らえば一発であの世に行けるだろう。
 いや、へたしたら一生亜空間をさまようはめになるかもしれない。
 それだけは許されない。
 っていうか、まだやり残した事がありすぎる。
 では、魔法を受けないようにするためにどうすればいいか。
 図書館に配備されている攻撃用メカを使えば簡単に勝てるだろうが、女の子相手にそんな事はできない。
 榊は必死に考える。
 幸い芹香はまだぼーっとしている。
 今のうちに考えなければ。
「あ・・・そうだ、ああすればいいんだ」
 何か思いついたようだ。
「・・・芹香さんゴメンっ!!」
 有無を言わさず榊はいきなり芹香にタックルをかけた。
 魔法を唱えられる前に捕まえてしまおうというのだ。
「・・・・・・あ・・・」

 どさっ

 榊は芹香と共に倒れ込む。
(取った!)
 彼は勝利を確信した。
 が、甘かった。
『ご主人様に何するにゃ〜〜〜〜〜〜〜!!』

 ゴオォォォォォォォォォォォォォ・・・

「あぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢぢ!」
 榊は背中を業火にあぶられ転げまわった。
「ひいいい・・・・・・はっ、エーデルハイド! しかもフェニックスバージョン!!」
『ご主人様をいじめるヤツは許さないにゃー!』
 芹香の前に立ちはだかるように、黄金に輝く火の鳥が舞い下りた。
「も、元は猫のくせに・・・」
 そう毒づいてはみたものの、これでうかつに接近戦を挑む事ができなくなった。
「くそっ・・・」


                                   後編へ続く