一人の男が歩いていた。 名を、へーのき=つかさといい、私立Leaf学園に通う2年生である。 しかし、その祐介とセバスチャンを足して2で割ったような風貌は、どう見ても生徒ではなく教師だった。 ブロロロロ・・・ 突如彼は殺気を感じた。 狙われている・・・ 手元が光る。 その手には『いそめ350』(愛用しているバトミントンラケットの愛称)が握られていた。 すぱぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!! バックハンド一閃、ラケットは殺気を放つ相手を弾き飛ばした。 「あれ・・・?」 それはカタナにまたがった桂木美和子だった。 そして、彼女が発していたのは殺気ではなく焦りだった。 へーのきの勘違いである。 吹っ飛ばされた彼女は、錐揉みしながらサラリーマンAのマイホームの二階の窓を突き破り、中にいた彼の妻、 主婦Bを撃沈した。 彼女の乗っていたカタナは、何事もなかったかのように、犬の散歩をしていた老人Cと、通学中の児童Dを轢いて 走り去っていった。 「・・・・・・・・・」 へーのきはどうしたものかと途方に暮れていた。 「・・・まあ、とりあえず美和子さんを病院に連れてくか・・・」 意外と律義なやつのようだ。 昼休み 「悪いわねぇ、いきなり手伝わせちゃって」 「え? 別にいいよ綾香さん」 へーのきは綾香に呼び出され荷物運びをやらされていた。 綾香はパソコンのディスプレイ程の大きさのダンボール箱を、そしてへーのきは・・・ 「うちの学校って暴走して超人的な力出す人はたくさんいるけど、普段から力のある人ってあんまりいないのよね」 自分よりひとまわり大きな木箱を抱えていた。 「頼んでおいて言うのも何だけど・・・そんなもの抱えて大丈夫?」 「うん、思ったより軽いから・・・」 そこにセリスがやって来た。 「やあ、へーのき君。重そうだねえ」 「別に重くは無いですよ」 その言葉にセリスはにやりとした。 「へーのき君、後は僕に任せてくれ」 「え? でもオレが頼まれた事ですし・・・」 「いいっていいって」 どうやら綾香と二人っきりでいたいらしい。 へーのきが重くないと言ったので、自分でも持てると思ったようだ。 しかし、セリスはへーのきの馬鹿力を知らなかった。 ベキッ、バキバキグシャッ! へーのきから荷物を受け取ったとたんに潰れるセリス。 「あれ? 大丈夫ですか・・・?」 セリスは答えない、いや、答えられない。 「やれやれ・・・・・・さ、早く行きましょ」 へーのきは何か罪悪感を感じているようだったが、綾香に従ってさっさと行ってしまった。 「・・・・・・『へーのきの荷物を代わりに運ぼうとして、あまりの重さに潰される。両腕、両足を複雑骨折。さらに綾香に 見捨てられ精神的ダメージ。やっぱり死なず』か・・・」 久々野が冷静にメモを取る。 「死ぬかっ! こんな荷物運び程度でっ!」 セリスが跳ね起きる。 「『そして、跳ね起きた際に肋骨が折れ、動脈を何本か切る』と・・・」 「ごばっ!」 セリスは10リットルの吐血と共に倒れた。 荷物運びの後、へーのきは廊下にいた瑠璃子に駆け寄った。 「瑠璃子さん、ちょっと待って」 「どうしたの? へーのきちゃん」 「あのさ・・・」 へーのきが瑠璃子に話そうとした時だった。 「キッサマァァァァァァァァァァァ!!」 月島の声が響き渡った。 「!?」 「貴様っ! 瑠璃子の一体何なんだ! 瑠璃子は僕の物だ、誰にも渡さんぞ!!」 月島の頭の周りに電波が集まってゆく。 「いきなりデンパスレイブッ!」 周りにいた名も無き生徒達がばたばた倒れてゆく。 「何っ!?」 のた打ち回る生徒達の中、へーのきだけはは何も無かったかのように突っ立っていた。 実は、へーのきは心を無にする事にによって、全ての特殊攻撃を完全に防ぐ事ができるのだ! いわゆる『絶対虚無』というものである。 しかし、心が無になってしまうため何も行動できなくなってしまう。 物理攻撃を食らったら終わりだ。 しかし、逆上した月島はそれに気づいていない。 「まさかっ、貴様! 瑠璃子としたんだな! したんだなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ひとりでどんどん明後日の方向に暴走してゆく月島。 「デンパアロー!」 「バーストデンパ!」 「ガーヴデンパ!」 「デンパランス!」 「デンパブレード!」 次々に電波を放つ月島。 学校中の生徒&教師がばたばた倒れ、のた打ち回る。 しかし、当然へーのきには効かない。 「くっ、ここまでか・・・」 ばったり 力を使い果たし、ついに月島は崩れ落ちた。 「ん・・・・・・? あ、電波がやんだみたいだな」 へーのきは絶対虚無を解除し、意識を取り戻した。 そして、唯一立っている瑠璃子に近づき、言った。 「瑠璃子さん、ハンカチ落としたよ」 そして放課後、学校は芹香が誤って召喚したラルヴァであふれていた。(いきなりかい!) わらわらわら・・・ 学校のいたるところでは、電波やビームや銃弾などが飛び交っていた。 で、へーのきはというと・・・ どがしゃーーーーーん!! 力任せにラルヴァ達を叩き潰していた。 率先して戦っているわけではない。 ただ単に逃げ遅れたのだ。 「ぜえ、ぜえ、ぜえ・・・」 実は、へーのきはパワーだけで体力が無い。 数匹せんべいにしたところですでに息があがっていた。 「ぐおおおおお・・・」 ラルヴァの群れが襲い掛かる。 「くっ・・・」 その時だった。 「み・ん・なァァァッッ! 見てッ!! 先生を見てくれェェェェッ!!!」 床を突き破り、真・超絶マッスラー貴之が現われた。 ラルヴァ達は一斉に引いた。 皆で体を寄せ合いがたがた震えている。 恐怖のあまり失神した者もいる。 そんな事はまったく気にせず、貴之は片っ端から抱き潰した。 グシャ、バキッ、グキッ、ボキボキ・・・ 「・・・・・・・・・」 その凄まじい光景に、貴之を除く全員が一瞬意識を失いかけた。 「へーのき先輩! チャンスです!」 ビームモップを片手に初音を守っていた(端からは抱き付いているようにしか見えない)ゆきが、叫んだ。 「ゆ、ゆきちゃん・・・はずかしいよ・・・」 初音は真っ赤になっている。 「え、オレがやるの?」 そういいながらもすっと前に出るへーのき。 勇気がある訳ではない。 ただ単に頼まれるとイヤと言えないだけなのだ。 「・・・こうなったら必殺技だ・・・」 ひとり呟くと、机(!)をひとつ、抱え上げた。 ラルヴァの群れを凝視する。 「すう・・・」 息を整える。 「いくぞ・・・」 大きく机を振りかぶった。 「デスククラッシャーーーーー!!」 ズゴゴゴゴォォォォォォォォォォォォォォォォン!! 全身全霊の力を込めて振り下ろされた机は、貴之もろともラルヴァ達を打ち砕いた。 あまりの衝撃に持っていた机も粉々に砕け散る。 ついでに床を粉砕し、へーのきと同じ教室にいた人間は全員下の階に転落した。 とりあえずラルヴァ達は全滅した、ガディムが呼び出される事はないだろう。 しかし、鬼化したセリス(もう治った)やジン、暴走した西山、へーのき達の活躍によって、校舎も全滅していた。 「──明日はきっと休みですね・・・」 「そうだね・・・」 瓦礫の中、一緒に埋まったへーのきとセリオは、何故かいい感じだった。 おわり・・・ ───────────────────────────────────────────────── えーと、断っておきますが、この話は、Lメモにおけるへーのきがどんなキャラなのかを紹介する為に書いたもの でして、ストーリー展開等は全く考えてません。 基本的には奥手で大人しい温厚なやつです。 絶対に自発的に騒動を起こしません。 ただ、パワーが凄まじいため、望まないのにさまざまな破壊活動を行ってしまう事が多々あります。 ちなみに、マルチ(マルチさん)、セリオ(セリオさん)、来栖川姉妹(芹香さん、綾香さん)、葵ちゃん(松原さん)、 瑠璃子さん(瑠璃子さん)などが好きです。(要するに優柔不断で一人に絞れない)(ちなみにカッコ内は各キャラの呼び方) あまりSS使いの皆様が出てこないのは、へーのき自身がまだキャラクターを掴みきれていないからです。 (犠牲になった方、ごめんなさい) Lメモはもちろんですが、Sメモでもサクシャマンでもどんどん出してこき使ってやって下さい。 ちなみに、へーのきはあと一週間ちょいでテストなのでSSがしばらく書けません。(読みには来れる) そのあいだ、どうか忘れないでやって下さい。