=========おまけ「Dボックスの暗躍」============ 「……おかしいですね」 来栖川警備保障詰め所。 DボックスのメンテナンスをしていたDマルチは、画面に表示された数値 を眺めて首を傾げた。 「どうしたんだい?」 声を聞きつけたか、休憩室で休んでいたへーのきがやって来た。 「いえ、これなのですが――」 と、Dマルチが画面上のデータの一つを指さして見せる。 「Dボックスさんの記憶容量が、必要以上に圧迫されているようなのです」 「ふーん……」 と言われても、具体的にどうマズいのかはよく分からない。 半ば以上はお義理に話を進めるつもりで、へーのきは訊ねてみた。 「ところで、その容量ってどのくらい?」 「そうですね……画像データだとすれば、写真一枚くらいでしょうか」 ――これから暫くの時を経て、後に『嵐の中の戦争』と呼ばれる戦いが 起こることになる。 だが、その原因の一つがDボックスの中に隠された一枚の写真データに あったという事実は……誰にも言えない、ダーク十三使徒の最重要機密で ある。 ========おまけのおまけ「舞台裏の末路」=========== 「……って、そう言えば当事者はどこに消えたんだ?」 「ああ、ギャラ先輩でしたらあそこに……って、変な痙攣してるーーーっ!?」 「おい、口から何か緑色の汁垂れてるぞ、ヤバくねぇか!?」 「首吊り自殺? スクープねっ!?」 「ンなこと言ってる場合じゃねーだろっ! 志保、あかり、そっちのロープ を……って、もっと絞めてどうすんだっ!」 : : : 後に、校医のNTTT氏は語る。 「あの時、彼の脳細胞は酸欠によってかなりの部分が死滅していました。 ……すごいと思いますよ。脳全体のわずか一割の脳細胞だけで、ああして 学生生活を送れているんですから」 どーやら、左脳だけあれば問題はないらしい。 ========最後のおまけ「タイトルの秘密」========== 「……そーだ、ちちうえ?」 「ん、どうしたんだい、静?」 「んっとね、このL、『孫六をきみに』って書いてあるけど、孫六さんって 誰だったのかなーって……」 「ああ、それは……」 きたみちもどる(何故か軽傷。娘の祈りの力だろーか)は、愛娘の他愛 ない疑問に、優しく微笑んだ。 「……彼の本名は、『ギャ・ラ・孫六』だからね」 ――実は、フランス貴族の血を引く薔薇の名門だったり。 なお、幼名は『ドットーレ』であるらしい。